血液透析を受けられる方へ

腎不全とその症状

腎不全状態

腎臓の働きが正常の30%以下に低下した場合を腎不全と言い、10%未満になると血液透析の治療が必要となります。

腎不全状態

血液透析の治療

当院では、大きく分けて通院で行う血液透析(施設透析)・自宅で行う血液透析(在宅透析)の中から患者様の個別性に合わせて最適な透析方法を選べる県下でも数少ない施設となっております。

血液透析の原理

血液透析は、血液と透析液の間にある半透膜(水分とごく小さな物質のみを通過する膜)を介して、水や物質の移動を行い、毒素を除去し不足物を補充します。 その原理は「限外濾過」と「拡散」と呼ばれるものによります。

「限外濾過」とは、例えばこしあんを手ぬぐいに包んで絞ると外側に水分が搾り出されるように、透析器(ダイアライザー)の中では機械的に圧力をかけて、血液内の余分な体液(主に塩分・水分)を除去する原理です。

「拡散」とは、例えば半透膜で仕切った容器に片側に砂糖水、もう片側に水を入れると時間とともに同じ濃度になるといった原理です。

血液透析の原理

安全を守る取り組み(より良い透析ライフの提供)

水質管理

※透析液清浄化への取り組み
長期合併症予防のためには、透析液の清浄化は必要不可欠とされています。 血液透析では、透析効果を一定にするため毎分400~500ml(1回の透析治療で約120~180L:ドラム缶約1本分)の透析液が必要です。透析液の作製には水道水を使用していますが、そのままの使用では、安全で正確な透析液は作製できません。

当院では、水処理装置(逆浸透法精製水製造装置)やETRF(カットフィルター)を用いて、水道水の中に含まれている不純物(金属イオン・残留塩素・エンドトキシンなど)を限りなく除去した透析用水(RO水)を作製し使用しています。

また当院では、オンラインHDFも実施していますので、清浄化された透析液が確保されているか確認のため、『日本透析医学会の透析液水基準のガイドライン』に沿って毎月、生菌・エンドトキシン検査を実施して超純粋透析液の水質基準を良好な結果で達成しています。

(※)日本透析医学会『透析液基準と血液浄化器性能評価基準2008』より抜粋

 

エンドトキシン 細菌数
透析用水(RO水) 0.050EU/ml未満 100CFU/ml未満
標準透析液 0.050EU/ml未満 100CFU/ml未満
超純粋透析液 0.001EU/ml未満 0.1CFU/ml未満

水道水 生菌培養前1週間後水道水 生菌培養後

透析用水(RO水)生菌培養前1週間後透析用水(RO水)生菌培養後