臨床工学技士とは、医師の指示の下に生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする専門医療職種です。
臨床工学課では現在、男性7名、女性2名が勤務しており、透析室での透析業務と機器管理から水質管理の技士業務をシフト制の勤務によって行っています。多職種との連携を図り、安全で安心な医療を提供できるよう業務に従事しています。
業務内容
透析室業務
透析を行う際のプライミング、シャント穿刺、開始及び返血操作、バイタルチェックまで一貫して行っています。また、SPP測定(皮膚灌流圧測定)やInBody測定(DW設定に活用)なども行なっています。特殊血液浄化療法としてLDL吸着療法やCART(腹水濾過濃縮再静注法)も行なっています。
技士業務
機器管理業務
院内全てのME機器を台帳で一括管理し、保守点検業務を行い、臨床で安全に使用できるよう努めています。
人工呼吸器業務
使用中点検として、臨床工学技士が日々のラウンド点検、呼吸器回路の交換を行っており、定期的にメーカーの保守点検を行っています。
透析液水質管理
清浄化された透析液が確保されているのか確認のため、『透析液清浄化ガイドライン』に沿って毎月、ET測定、生菌測定を実施しています。超純粋透析液の水質基準を満たした透析液を使用し、On-lineHDFも行なっています。
設備概要
機械室設備(透析液精製設備)
RO装置(逆浸透法精製水製造装置) TW-1800RH
水道水に含まれる不純物を逆浸透法で除去、純度・清浄度の高い水(RO水)を精製する装置です。精製されたRO水を透析液原液の希釈などの透析用水として使用します。
A粉末剤溶解装置 TP-2
透析用A粉末剤をRO水で所定の濃度に溶解し、透析液A原液を調製します。
B粉末剤自動溶解装置 TP-BHI-R・G
透析用B粉末剤をRO水で溶解し、透析液B原液を調製します。B原液は、管理を怠ると菌の温床となり、結果としてエンドトキシンの上昇などにつながるので十分な衛生管理が必要です。
多人数用透析液供給装置 TC-HI
透析治療において、透析液原液(A原液、B原液)とRO水を連続比率混合方式により一定比率で正確に混合し、複数台数分の透析液を調製して透析用監視装置などに供給します。